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ダルメシアン


英語表記 Dalmatian
原産国 クロアチア・ダルメシア地方
サイズ 大型犬
グループ 6G
体高 56cm~61cm
体重 27kg~32kg

ダルメシアンの特徴

ダルメシアンは白地に無数の斑点という独特の毛並みで知られている大型犬です。垂れ耳で、滑らかな短毛に覆われた筋肉質な体格をしています。大型犬ですがややコンパクトなため、中型犬に分類している国もあります。
体高はオス56~61cm、メス54~59cm、体重はオス約27~32kg、メス約24~29kgがスタンダードとされています。

ダルメシアンは先天性聴覚障害が最も多い犬種で、アメリカの調査では全体の20%が片耳または両耳が聞こえないというデータもあります。これは、毛色の白の遺伝子により起きる現象で、斑の色や性別には関係なく起こります。ブルーアイの個体には非常に起こりやすく、パッチ(斑点の面積が大きなもの)がある個体には起こりにくいという特徴があります。

ダルメシアンの性格

ダルメシアンは家族に対しては陽気で懐こく振る舞いますが、人見知りが強く他人や他犬には警戒心を見せます。
また、頑固で譲らない部分があります。
非常に活発で体力、持久力があります。そもそもは馬車と一緒に走ることが仕事だったため、走ることが大好きで、若い犬なら10㎞以上の距離でも喜んで走ります。

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ダルメシアンの歴史

ダルメシアンが生まれた土地は、ヨーロッパの数か所や、エジプト、インドなどと言われ、そのいずれにもそれらしい記録が残っているため、どこで作られた犬なのかいまだにわかっていません。
18世紀の中ごろには、現在のクロアチアにあるダルメシア地方においてそれらしい犬の存在が記録されていたため、のちにダルメシアンと呼ばれるようになったとされていますが、これより以前の14世紀ころからの記録でも、この犬種らしいものの存在はあったようで、本当のところははっきりしないのです。
美術品としては16世紀ごろに、書物には18世紀になって、はっきりとダルメシアンとわかる犬の記録が残されています。

出自が混乱する理由として、ダルメシアンはジプシーや旅商人の犬として各地を回っていたため広く記録が残ったからという説があります。確かに、馬と共に走り、荷物を護衛することがダルメシアンの務めでした。しかしそれ以外にも、番犬、猟犬、ネズミの駆除犬など、人間生活に近い所で様々な役割を与えられ、そつなくこなしてきたとされています。こうした作業能力の多様さも、ダルメシアンの成り立ちをわからなくさせている理由の一つですが、現代のダルメシアンも馬に対して抵抗なく、怖がらずに親しんでいく個体が多いため、旅する人々の伴走犬であったという説が有力視されているのです。

原産地は不明であったものの、19世紀後半になるとイギリスで犬種標準が定められることになりました。
その美しい外見から、この頃にはイギリスはじめヨーロッパ各国で貴族や富裕層の犬としてもてはやされました。ダルメシアンを早くに犬種公認したイギリスでは、貴族が所有する四輪馬車の伴走をする姿の美しさに人気が集まったのです。
20世紀に入ると、自動車の普及によって、馬車の伴走犬としてダルメシアンは失業してしまい、一時ほどの人気がなくなってしまいました。その後、ダルメシアンを主人公にしたディズニー映画『101』のヒットで、一般家庭でも広く飼われるようになりました。しかし、残念なことにこの犬種特有の聴覚障害などで飼育の難しい個体も多くあり、飼い切れなくなって手放されるなどの反動を伴い、人気は一時的なブームに終わってしまいました。
なお、アメリカでは映画『101』以前から、ダルメシアンは消防署のマスコットになっていますが、これは車のない時代から、消防馬車の伴走犬を務めていた歴史によります。

ダルメシアンの飼い方

ダルメシアンは大変エネルギッシュで、活発です。とにかく走ることが好きですので、毎日1~2時間の散歩が必要です。
走るという点で運動能力は高いものの、不器用な面があるため、ドッグスポーツやディスク競技などは上手にこなせない個体も多いようです。

人見知りがありますので、親しくない来客には思わぬ反応を見せることがあります。特に初対面の子どもには注意が必要です。
家族に対しても気の荒い面を見せる個体がしばしばいるようですので、子犬の頃からしっかりとしつけや訓練を行い、従順に扱いやすくなるように育てていくことが大切です。
トイレなど室内生活でのしつけはやや入りにくいようで、根気が必要となります。

なお、聴覚障害のある個体は、耳が聞こえにくいことで状況が把握しづらく、恐怖心が強くなりがちで、吠える、咬むなどの問題行動を起こすことがあります。
聴覚障害のある犬と暮らす場合は、生活に工夫と努力が必要です。視符(ハンドサイン)などの訓練が求められるため、子どもや老人のいる世帯や初めて犬を飼う世帯には大変難しいものと言えます。

ダルメシアンの毛色

ダルメシアンもは白地に、輪郭のはっきりしたコイン大の黒またはレバー色の斑点があります。
ブラックとブラウンやレバーが混合されていないことが好ましいとされています。

ダルメシアンの気を付けたい病気

先天性聴覚障害以外に、ダルメシアンでは尿結石症が起こりやすいことでも知られています。
尿酸を分解することができないため、膀胱で雑菌などに触れると、尿酸から尿結石ができてしまいます。やっかいなことにこの尿結石は、療法食などで溶解することができません。
オスは特にできやすいとされ、尿道の形状からメスよりも尿管が詰まりやすく、放っておくと死に至ることがあります。
定期的な健康診断では尿検査も診断項目に入れ、日頃から尿量の変化に気を配ってあげましょう。

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